内臓リリースとは?
内臓リリースとは、胸部および腹部の内臓器官を取り巻くファシア(コラーゲンとエラスチンの線維からなる薄い膜)の癒着や萎縮、硬化を解放し、正常な状態に戻す施術方法です。
胸部内および腹部内のファシアを整えることで、内臓を取り巻く環境の制限を解除し、本来の最適な内臓器官や組織の位置に戻すことで、正常な機能を回復させて、健康と心身の調和を促進します。
内臓などの器官が本来の最適な配置となると、呼吸系、消化器系、心臓血管系、リンパ系、免疫系、泌尿器系、内分泌系、神経系、生殖器系の機能が促進されます。
内臓リリースの対象
胸郭から骨盤部までの内臓を取り巻くファシアリリースを行います。
胸部(内臓)を取り巻くファシアリリースを行います。
胸部には、胸郭と呼ばれる胸部の外郭をつくるかご状の骨格があり、胸椎、肋骨、胸骨からなっており、心臓や肺などの臓器を支え保護しています。
この胸郭(肋骨)をリリースします。
胸部の下部(底)には横隔膜があります。
この横隔膜をリリースします。
腹部(内臓)を取り巻くファシアリリースを行います。
腹腔内には、胃、小腸、大腸、肝臓、胆のう、膵臓、脾臓、腎臓、副腎などが含まれます。
これら内臓のある腹腔内をリリースします。
骨盤部(内臓)を取り巻くファシアリリースを行います。
骨盤内には、膀胱や直腸、女性の場合は、子宮と卵巣などが含まれます。
これら内臓のある骨盤内をリリースします。
内臓リリースの期待される効果
さまざまな器官系の機能向上が期待されます。
人体はいろいろな構造が組み合わせって構成されており、特定の機能にまとめられた器官群を、”器官系”と呼びます。
ファシアは、それら器官系を支持し、保護するインフラ(基盤)の役割を果たしています。
さまざまな器官系のインフラであるファシアをリリースすることで、心身の調和が促進されます。
筋系、骨格系、呼吸器系、神経系、内分泌系、心臓血管系、リンパ系、消化器系、泌尿器系、婦人科系の機能向上が促されます。
筋系は、骨格筋、腱、筋膜で構成されています。
『内臓リリース』で、筋肉の滑らかな動きの向上が期待されます。
・胸式呼吸や腹式呼吸の改善。(内肋間筋、外肋間筋、横隔膜)
・姿勢や動作の安定性の改善(腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋、骨盤底筋群、横隔膜、大腰筋、腸腰筋)
・尿意や便意の制御改善(骨盤底筋群)
骨格系は、骨、関節、軟骨で構成されています。
『内臓リリース』で、ナチュラルな骨格や関節の動きが期待されます。
・呼吸時の肋骨の動き改善(肋骨、胸骨、胸椎)
・猫背、反り腰など骨格(姿勢)の改善(胸郭、脊椎、骨盤)
呼吸器系は、頭部にある鼻腔、頚部にある咽頭、胸部にある気管や気管支、肺で構成されています。
『内臓リリース』で、良質な呼吸による良質なガス交換が期待されます。
神経系は、中枢神経系(脳や脊髄)や末梢神経系、自律神経系で構成されています。
『内臓リリース』で、神経伝達の向上が期待されます。
・リラックス、リフレッシュ。
・各内臓機能の向上。
・自律神経の改善。
内分泌系は、視床下部、下垂体、松果体、甲状腺、胸腺、膵臓、副腎、性腺で構成されています。
『内臓リリース』で、ホルモンバランスや身体の恒常性機能の向上が期待されます。
胸部・・・胸腺。
腹部・・・膵臓、副腎。
骨盤部・・・卵巣。
心臓血管系は、心臓や血管(動脈や静脈、毛細血管)で構成されています。
『内臓リリース』で、心臓および腹部動脈、静脈の血液の循環機能の向上が期待されます。
それによって、冷え性が改善される可能性もあります。
リンパ系は、扁桃腺、胸腺、脾臓、リンパ管、胸管、リンパ節で構成されています。
『内臓リリース』で、腹部リンパ管やリンパ節の免疫機能の向上が期待されます。
また、むくみの改善も期待されます。
消化器系は、口腔、咽頭、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆嚢で構成されています。
『内臓リリース』で、胃・小腸・大腸の運動の改善や膵臓や肝臓でつくられる消化液の働きなど、消化と吸収の機能向上が期待されます。
泌尿器系は、腎臓、尿管、膀胱、尿道で構成されています。
『内臓リリース』で、尿の貯留と排泄機能の向上が期待されます。
婦人科系は、卵巣、卵管、子宮(膣)で構成されています。
『内臓リリース』で、ホルモンバランスの機能の向上が期待されます。
月経痛や不順の緩和も期待されます。